作業療法士は診療報酬の特性上、なかなか昇給が起きづらい職業です。
事業主側にとっては、セラピストの給料を上げると単純に収益が減るからです。
では、「作業療法士は給料があがらないのか?」というとそうでもありません。
それは、役職者になるもしくは、スキルを身につけ転職するといったことです。
それに付随し、副業収入を得る事もあるでしょう。
ここでは、給料を上げるために必要なスキルについて解説していきます。
給料アップするには
昇格する(役職者になる)
転職する
副業する
この3つしか大きく収入が変わる事はありません。
そのどの方法も作業療法士としてのスキルアップが必須であったり、スキルアップする事でより多くの昇給が望めるというものになります。
患者様、上司、他部署それぞれからの信頼を得る事=昇格(昇給)に有利という事になります。
そのスキルについてですが、
大きく分けると「診療スキル」と「診療以外のスキル」になります。
これを詳しく解説していきます。
診療スキル
診療スキル
つまり、普段の診療で効果が出せるかどうか?とういことです。
単純に徒手療法が上手というだけでなく、人として・職業人として優れているかが重要です。
このスキルを上げる事で得られるメリットは
患者様の信頼を得られやすくなる
「結果が出せる=勉強熱心」成果主義の方が多いため、上司から信頼が得られる
後輩に頼りにされる先輩になる
自費リハなどの副業へつながりやすい
デメリットとしては
勉強に労力を割く
やりたい仕事が回ってくる分、嫌な仕事も回ってきやすくなる
講習会費が掛かる
メリット面の解説
患者様から信頼を得やすくなる
患者様は何のためにリハビリをしているのでしょうか?
心身を健康にしたいからですよね。結果を出してくれるセラピストはそれだけでも信頼を得る事が出来ます。
ここでいう結果とは、ただ単に身体の動きが良くなることではありません。
精神面にも変化を与えられるか?についても重要です。
施設や病院に入院していると、一番長く関わるのはセラピストです。
生活における悩みや取り留めようのない不安などの傾聴や解決策の提案といった身体機能の改善以外にもセラピストの役割はあります。
その心身面双方において包括的に結果を出せる事は信頼を獲得する為には非常に重要と言えます。
上司・他部署から信頼を得られる
診療スキルが高いという事は患者様の悩みを解決してくれる確立が高いという事です。
上司から見てみると
結果を出してくれる=難しい症例でも担当出来る、様々な状況に対応できる
このように評価してくれます。
他部署からはどうでしょうか?
例えば、病棟において食事が上手く出来ない患者様に自助具の提案、ポジショニングを看護と連携して行ない、患者様の介助量を減らしてくれる
そんな作業療法士が居ると、看護にとっては患者様の負担を減らしてくれて、看護業務も減らしてくれる人と評価してくれます。
後輩に頼りにされる先輩となれる
診療で結果が出せると後輩への指導にも携われます。自然と相談されることも増えるでしょう。
あなたが昇格した時の事を考えてみてください。
後輩に慕われていれば、あなたが困ったときに助けれくれるかもしれません。また、助けを求めやすい状況かもしれません。
自費リハなどの副業につなげる
私や先輩からの体験談ですが、患者様によっては退院後も診てほしいと依頼されることがあります。
個人的にリハビリを請け負う事が出来るようになると、病院などを通さない分、利益を直に受け取る事が出来ます。
診療スキルが上がる事で、このような機会に恵まれることもあるでしょう。
中には、そのまま自費リハとして開業する方もいます。
デメリット
診療スキルを身に着けるには、一朝一夕では出来ません。
普段からコツコツとやっていくしかありません。
どうしてもその過程で、講習会・研修会への参加や自己学習時間の確保が必要となってきますので、時間が削られてしまう事やお金を使う事になります。
現状に満足し、このままでいいという考えの方には、診療スキルを高める事はなかなか出来ないことかもしれません。
だからこそ、自己研鑽を積んでいる方にはチャンスが巡ってくるという事も言えます。
診療以外のスキル
職業人としてのスキルというよりは、コミュニケーション能力やコーチング・ティーチングスキル、マネジメント能力が挙げられます。
これらの能力がリーダには求められてきますが、具体的どんな事をしていくとこの能力は伸びるのか?以下にまとめてみました。
部下からの信頼を得る為の努力する
集団や組織の中で発信をしていく、リーダー的役割を担う
上司と部下のパイプ役になる
まだまだあると思いますが、これらに着目してみます。
部下からの信頼を得る
信頼を得るために必要なのは「聞く力」、「示す力」、「気づく力」の3つが必要です。
聞く力
部下の悩みを聞き、一緒に解決してあげる事が重要になってきます。
悩みだけでなく、何気ない日常会話や挨拶などが自然と出来るといいでしょう。
示す力
前述した、診療スキルについても言えます。
また、他部署とのトラブルがあった際に後輩を守り導けるかも示す力と考えられます。
気づく力
相手の普段と違う何気ない行動から、体調の変化やストレス状況を察する能力と思います。
聞く力でもありましたが、普段から分け隔てなく、関りを持つことで職員の変化にも敏感に察することが出来るでしょう。
この能力は、リーダーとしてはもっとも重要な能力かなと個人的には思います。
集団や組織の中で発信をしていく、リーダー的役割を担う
部署内での勉強会や学会での発表、委員会で意見を出すなど積極的に参加してくれる人を上司は気に入ってくれます。
その中で、意見の集約やまとめ役を買って出ると更に印象がいいでしょう。
上司と部下とのパイプ役になる
新人や2~3年目までは、上司とのやり取りでは緊張し思ったような意見を言えない事があります。それが原因で仕事が滞ったり、他部署に迷惑をかけてしまう事があります。
上司と部下との関係や情報共有を円滑に回すパイプ役が必要となってきます。
お互いの「意見を聞き、集約し、プラン立てする」これはリーダーには必要不可欠なスキルでしょう。
給料アップに向けて
昇格に必要なスキルについて述べてきましたが、これだけでは昇格出来るとは限りません。
昇格出来なかったor出来る見込みがない場合はやはり 転職 が第一候補となってきます。
幸い、作業療法の求人は売り手市場です。中には、役職者としての募集をしている職場も存在します。
また、作業療法士は職業全体の平均年齢が低い為、経験年数が低い職場の場合は早めの役職者登用もあります。
転職エージェントを活用することで、より理想の職場が見つかると思われます。
副業ってどうなの?
作業療法士向けの求人で、週1~や月数回~といった求人は増えてきています。
今すぐ転職は難しいと考えている方は、副業から始めてみるといいかもしれません。
また、前述した自費リハについても、出来る事ならやってみましょう。
まとめ
作業療法士が給料アップするには、昇格・転職・副業のどれか
役職者として働くには、相応のスキルが必要
スキルには、診療スキルとそれ以外のスキルがあり、バランスよく伸ばす必要がある
役職者になれないと諦めず、転職エージェントなどをに登録し、自分が目指す働き方をみつけていきましょう